油吸着材の種類と選び方|シート・ロール・ロープの違いと使い分け

油吸着材の種類と選び方を、シート・ロール・ロープ(オイルフェンス)の形の違い、素材と撥水性、場所・状況別の早見表で解説。油漏れを見つけたときの手順と、使用後の処分方法もまとめました。

油吸着材の種類と選び方|アブシリーズのコラム

工場や現場で油がこぼれたとき、手元にある資材で回収できるかどうかは油吸着材の選び方で決まります。油吸着材の種類は「形」「素材」「水に浮くかどうか」の3つで見分けるのが近道です。

結論から言うと、機械の下の受け皿にはシート、配管やバルブのまわりにはロール、広がる油を止めるならロープ(オイルフェンス)。吸い取ったあとに残るべたつきは洗浄剤で落とします。この記事では、場所と状況ごとの使い分けと、使い終わったあとの処分までをまとめます。

この記事でわかること

  • 油吸着材の種類(シート・ロール・ロープなど形の違い)
  • 素材と「油だけを吸うか」の見分け方
  • 場所・状況別の選び方の早見表
  • 油漏れを見つけたときの手順と、使用後の処分

油吸着材とは|油処理剤との違い

油吸着材は、こぼれた油を繊維などに取り込んでそのまま回収するための資材です。「油吸収材」「オイルマット」「オイルキャッチャー」など呼び方はさまざまですが、油を吸わせて取り除くという役割は同じです。

よく混同されるのが油処理剤(分散剤)です。こちらは油を細かく分散させて水になじませる薬剤で、油そのものを回収するわけではありません。まず吸着材で回収できる量を取りきり、残った薄い油膜やべたつきに洗浄剤・処理剤を使う、という順番が基本になります。

ポイント

吸着材は「回収する」、処理剤は「分散させる」。役割が違うので、どちらか一方で済ませようとせず、吸う → 落とすの順で組み合わせます。

油吸着材の種類|形で選ぶ

油吸着材の種類は、まず形で分けると整理しやすくなります。同じ素材でも、形によって得意な場所が変わります。

形 得意なこと 向いている場所
シート(マット) 敷く・拭き取る・水面の油を回収する 機械の下、作業台、床にこぼれた油
ロール 必要な長さだけ切って使える 配管・バルブ・ケーブルまわり、長い通路
ロープ(スネーク・オイルフェンス) 囲って広がりを止める 漏れた油の周囲、側溝・排水路、水面
粉末・粒状 細かいすき間の油を吸う 床の凹凸、タイルの目地、土の上

現場でよく使うのはシート・ロール・ロープの3つです。シートとロールは「吸う」、ロープは「止める」と覚えておくと、組み合わせを考えやすくなります。

素材と「油だけを吸うか」で選ぶ

油吸着材の素材は、ポリプロピレンなどの合成繊維、パルプなどの天然素材、鉱物系の粒などがあります。選ぶときにいちばん効いてくるのは、素材名よりも水を吸うかどうかです。

  • 油専用(撥水タイプ) — 水をはじいて油だけを吸います。水に浮いたまま油を回収できるので、雨のかかる屋外や側溝、水面に向きます
  • 水も吸うタイプ — 油と水の両方を吸います。屋内の乾いた床なら使えますが、水たまりの上では先に水を吸ってしまい、油を吸う余力がなくなります

屋外や水まわりで使う可能性が少しでもあるなら、油専用(撥水タイプ)を選んでおくと失敗がありません。

アブシリーズ 水に浮いて油だけを吸う吸着材と、洗浄剤の製品一覧 シート・ロール・ロープの吸着材に、泡の洗浄剤と油分散洗浄剤。洗う・吸う・切る・止める・分解するの6製品です。

場所・状況別の油吸着材の選び方

実際の現場では「どこで」「どんな状態で」油が出ているかで選びます。よくある6つの場面をまとめました。

場面 選ぶもの 使い方
機械の下にポタポタ垂れる シート 垂れる位置に敷いて受け皿にする。汚れたら交換
配管フランジ・バルブまわり 幅の狭いロール すき間に合わせて切り、下に敷く・巻きつける
床に油が広がった ロープ+シート ロープで周りを囲ってから、内側をシートで吸う
側溝・排水路・水面に浮いた油 撥水タイプのロープ+シート 流れの下流側をロープでせき止め、たまった油をシートで回収
吸い取ったあとのべたつき・油膜 洗浄剤 泡や希釈液で浮かせて、ウエスやブラシで落とす
いつ起きるかわからない漏油への備え 吸着材と洗浄剤のセット すぐ取り出せる場所に一式を置いておく

迷ったら「止める → 吸う → 落とす」の3段階で必要なものをそろえます。止めずに吸い始めると、拭いているそばから油が広がり、使う枚数も増えてしまいます。

油漏れを見つけたときの手順

油吸着材を用意していても、手順が決まっていないと現場で迷います。基本の流れは次のとおりです。

  1. 安全を確保する — 火気を遠ざけ、換気をします。手袋を着け、滑りやすい床に注意します
  2. 漏れている元を止める — バルブを閉める、容器を立てるなど、できる範囲で供給を止めます
  3. 広がりを止める — ロープで周囲を囲い、側溝や排水口へ流れ込む道をふさぎます
  4. 吸い取る — 内側の油をシートやロールで吸います。外側から内側へ向かって吸うと広がりにくくなります
  5. 残った油を落とす — べたつきや薄い油膜は洗浄剤で落とします
  6. 回収物をまとめる — 油を吸った吸着材やウエスは袋にまとめ、処分の手配をします

公共の水域に流れ出たときは

水質汚濁防止法では、油を扱う事業場などで事故が起き、油を含む水が川や水路などへ流れ出て生活環境に被害が出るおそれがあるときは、直ちに応急の措置を講じ、速やかに自治体へ届け出ることが求められています(第14条の2)。対象の事業場や届出先は自治体によって案内が異なるので、事前に確認しておくと慌てずに済みます。河川や水路で薬剤を使う場合も、管理者や自治体の指示を優先してください。

使い終わった油吸着材の処分

油を吸った吸着材は、事業活動で出たものであれば産業廃棄物として処理するのが一般的です。一般ごみとして出すことはできません。

たとえば大阪府のFAQでは、油の付いたウエスが「廃油との混合物」にあたる場合、合成繊維製なら「廃プラスチック類」と「廃油」の混合物、天然繊維製なら一般廃棄物と「廃油」の混合物になる、と整理しています。ポリプロピレン製の油吸着材も同じ考え方で扱われることが多いですが、最終的な区分は地域の自治体や処理業者に確認してください。

  • 回収した吸着材は、油が漏れない袋に入れて口をしばる
  • 引火性の油を吸ったものは、火の気のない場所に保管する
  • 処理業者に渡すときは、どんな油を吸ったかを伝える

アブシリーズの油吸着材と洗浄剤

株式会社OTSのアブシリーズは、ここまでの「止める・吸う・落とす」をそれぞれ受け持つ製品で構成しています。

製品 役割 形・容量 向いている場面
アブリーズ 吸う シート 30cm×30cm 機械の下、床の油、水面に浮いた油、グリーストラップ
アブロール 切る ロール 15cm幅・30cm幅×10m(ミシン目入り) 変圧器・配管フランジ・バルブまわり
アブスネイク 止める ロープ 20cm×1m・6m 漏油箇所の囲い込み、側溝・排水路のオイルフェンス
アブル 洗う 泡スプレー 500mL 機器の漏油やグリス、厨房機器の油汚れ(壁面・天井でもたれにくい)
アブレイク 分解 油分散洗浄剤 4L(水で希釈) 回収後に残った油膜、コンクリート・アスファルトの油汚れ
アブデラックス 備える アブル・アブリーズ・アブレイクと道具のセット 現場・整備場の常備、災害用の備蓄

アブリーズ・アブロール・アブスネイクはいずれもポリプロピレン製の撥水タイプで、水を吸わずに油だけを吸います。アブリーズとアブスネイクは水に浮くので、側溝や水面の油の回収にも使えます。

まとめて備えるなら 吸う・洗う・分解するがそろう「アブデラックス」 アブリーズ・アブル・アブレイクに、計量カップ・ゴミ袋・ペーパーウエス・ゴム手袋を同梱。届いたその日から作業を始められます。

よくある質問

油吸着材と油吸収材は違うものですか?

製品名としてはどちらの呼び方も使われていて、こぼれた油を取り込んで回収する資材という役割は同じです。選ぶときは名前よりも、形(シート・ロール・ロープ)と、水を吸わずに油だけを吸うタイプかどうかを確認してください。

水の上に浮いた油にも使えますか?

撥水タイプ(油専用)の吸着材なら使えます。水に浮いたまま油だけを吸うので、側溝や水面の油を回収できます。水も吸うタイプは水面では油を吸う余力がなくなるため向きません。

シートとロールはどう使い分けますか?

決まった場所に敷いたり拭き取ったりするならシート、配管やバルブまわりのように幅や長さを合わせたい場所にはロールが向きます。ロールは必要な長さだけ切って使えるので、狭い場所でも余りが出にくくなります。

工場の油が排水路や川に流れ出たらどうすればよいですか?

まずロープ状の吸着材で流れをせき止め、シートで回収します。油を含む水が公共の水域に流れ出て被害が出るおそれがある場合、水質汚濁防止法では、対象となる事業場は直ちに応急の措置を講じ、速やかに自治体へ届け出ることが求められています。届出先や様式は自治体の案内を確認してください。

使い終わった油吸着材は一般ごみで捨てられますか?

事業活動で出た油吸着材は、産業廃棄物として処理するのが一般的です。素材や油の付き方によって区分が変わることがあるため、地域の自治体や処理業者に確認してください。

まとめ

油吸着材は、形で「止める(ロープ)」と「吸う(シート・ロール)」に分け、屋外や水まわりで使うなら撥水タイプを選びます。吸い取ったあとの油膜は洗浄剤で落とし、使い終わった吸着材は産業廃棄物として処分します。

いざというときに迷わないよう、使う場所に合わせて一式をそろえておくのがいちばんの対策です。製品の詳細や、まとまった数量・法人でのご購入はアブシリーズの製品一覧からご確認いただけます。お見積りはお問い合わせから承ります。

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