塗り壁は、壁紙のように「洗剤をつけて拭けば落ちる」素材ではありません。表面に細かな凹凸があり、そこに汚れが入ります。だからといって強くこすると、今度は表面そのものが削れてしまう。ここが塗り壁の掃除でいちばん難しいところです。
この記事では、やってよいこと・やってはいけないことを先に整理したうえで、汚れの種類ごとの対処と、最終的な選択肢としての塗り直しをまとめます。
この記事でわかること
- 塗り壁の掃除で最初にやること
- 汚れの種類ごとの対処
- やってはいけない4つのこと
- 落ちないときの塗り直しと費用
塗り壁の汚れは、まず乾いた状態で落とす
水や洗剤を出す前に、乾いたままの方法を試してください。塗り壁の汚れの多くは、表面のホコリや付着物です。
- やわらかいブラシで払う:洋服用のブラシや、毛先の柔らかい掃除用ブラシ。上から下へ、軽く払います
- 掃除機のブラシノズル:壁に押し当てず、少し浮かせて吸います。押し当てると凹凸が潰れます
- 消しゴム:手あかや軽い擦り傷には、白い消しゴムを軽くあてると取れることがあります。強く往復させないこと
- サンドペーパー(細目):どうしても取れない一点に、最終手段として。ごく軽く、円を描かずに一方向で。周囲と質感が変わるので目立たない場所で試してから
目立たない場所で試す
どの方法も、家具の裏や壁の下のほうなど、見えない場所でまず試してください。塗り壁は仕上げの表情がそのまま見た目なので、「汚れは落ちたが、そこだけツルツルになった」というほうが目立つことがあります。
汚れの種類ごとの対処
| 汚れ | まず試すこと | 落ちないとき |
|---|---|---|
| 手あか・皮脂 | 白い消しゴムで軽くこする | その範囲を薄く塗り重ねる |
| 食べこぼし(乾いたもの) | 固まりをブラシで落としてから消しゴム | 部分的に塗り直す |
| 飲み物のシミ | すぐに乾いた布で吸い取る(こすらない) | 染みこんだものは落ちにくい。塗り直し |
| 鉛筆・クレヨン | 消しゴム。クレヨンは油分が残りやすい | 塗り直し |
| 黒ずみ・カビのような汚れ | 換気を改善し、乾いたブラシで払う | 広がる場合は原因(結露・水漏れ)を先に直す |
| ペットの汚れ | 固形分を落としてから消しゴム | においが残る場合は塗り直しが確実 |
※黒ずみが一箇所から広がっていくときは、汚れではなく水の問題(結露、雨漏り、配管からの漏れ)であることがあります。表面を掃除しても再発するため、まず原因を確かめてください。
やってはいけない4つのこと
- 1. メラミンスポンジで強くこする — 表面を削って汚れを落とす道具です。その部分だけ質感と色が変わります
- 2. 塩素系漂白剤を使う — 色が抜けたり、素材が傷んだりする可能性があります
- 3. 濡れた布で広くこする — 汚れを周囲に広げたうえ、表面を巻き込んで削ります
- 4. 硬いブラシでゴシゴシ洗う — 凹凸が潰れ、そこだけ光り方が変わります
いずれも「汚れは薄くなったが、その部分が明らかに違って見える」という結果になりがちです。塗り壁は面で見る素材なので、部分的な差のほうが汚れより目立ちます。
落ちないときは、その部分だけ塗り直す
デコれるウォールに専用の洗浄方法は公表されていません。そして塗り壁の性質上、しみこんだ汚れを完全に落とす方法は基本的にありません。だからこそ、塗り直しが現実的な選択肢になります。
1袋(1kg)3,300円で約1.5㎡。手あかがつきやすいスイッチまわりや、子どもの手が届く高さだけなら、1袋で十分に足ります。1面まるごと塗り重ねる場合でも、約6㎡なら4袋・13,200円です。
| やり直す範囲 | 面積 | 袋数 | 金額(税込) |
|---|---|---|---|
| 汚れた一部だけ | 〜1.5㎡ | 1袋 | 3,300円 |
| 腰から下だけ | 約3㎡ | 2袋 | 6,600円 |
| 1面まるごと薄く重ねる | 約6㎡ | 4袋 | 13,200円 |
塗り直すときのコツ
- 色は最初に塗ったものと同じ色を選んでください
- 部分的に塗る場合は、汚れた範囲ぴったりではなく、壁の角や見切りまで広げると境目が目立ちません
- 色付きの材料は全体をよくかき混ぜてから使ってください。混ぜ方が足りないと色差の原因になります
- すでに塗ってある塗り壁がしっかり固着していれば、そのまま上から塗れます。粉を吹くような状態なら、市販の水性シーラーを挟んでください
汚れにくくする
- 触れる場所を塗らない:スイッチまわり、ドアの取っ手の高さ、廊下の角など、手が当たる場所は最初から塗らないという選択があります
- 腰から下を別仕上げにする:腰高より下は木の腰壁や既存の壁紙のままにしておくと、汚れやすい高さを避けられます
- 塗る面を選ぶ:テレビの背面やベッドの頭側など、人が触らない面をアクセントウォールにすると長持ちします。壁の選び方はアクセントウォールをDIYで塗り壁ににまとめています
- 余った1袋を残しておく:未開封の粉のままなら保管できます。汚れたときにすぐ直せます(水と混ぜたものは保存できません)
よくある質問
塗り壁は水拭きできますか?
強い水拭きは向きません。塗り壁は表面に細かな凹凸があり、水を含んだ布でこすると表面が削れたり、汚れを広げたりすることがあります。まず乾いた状態で落とす方法から試してください。
メラミンスポンジは使えますか?
おすすめしません。メラミンスポンジは表面を微細に削って汚れを落とす道具です。塗り壁に使うと、その部分だけ質感と色が変わって目立つことがあります。
落ちない汚れはどうすればよいですか?
部分的に塗り直すのが確実です。デコれるウォールは1袋(1kg)3,300円で約1.5㎡塗れるため、汚れた範囲だけなら1袋で足ります。色は最初に塗ったものと同じ色を選んでください。
汚れを防ぐ方法はありますか?
手が触れやすい場所を塗らない、あるいは腰高より下は別の仕上げにするのが有効です。スイッチまわりや廊下の角など、触れる回数が多い場所は汚れやすくなります。
デコれるウォール専用の洗剤はありますか?
専用の洗浄方法は公表されていません。強い洗剤や漂白剤は表面を傷める可能性があるため、判断がつかない場合は目立たない場所で試すか、塗り直しをご検討ください。
まとめ
塗り壁の汚れは、まず乾いた状態でブラシと消しゴム。水と洗剤とメラミンスポンジは、汚れより大きな跡を残します。落ちないものは無理に落とさず、1袋3,300円で塗り直す。この割り切り方がいちばんきれいに収まります。
ひび割れの補修については塗り壁がひび割れる原因は?、ムラの直し方は塗り壁DIYでムラになる5つの原因をご覧ください。


