塗り壁DIYで多い相談は「はがれた」ではなく「ムラになった」です。乾いてから壁を眺めると、部分的に色が違う、線が入っている、影ができている。原因はだいたい5つに絞れて、しかもそのほとんどは塗る前に防げます。
この記事でわかること
- ムラになる5つの原因と、それぞれの防ぎ方
- 乾いてしまったあとにできること
- ひび割れをどう考えるか
原因1:袋ごとに水の量が違う(ムラの最多要因)
いちばん多い原因です。1袋目は1Lで練ったのに、2袋目は目分量で1.3L入れてしまった。すると材料の硬さが変わり、伸び方も乗る厚みも変わります。乾いたときに、その境目が面として見えます。
防ぎ方:計量カップを使い、1袋(1kg)に対して水道水1〜1.2Lをはかります。最初の1袋で好みの硬さを決めたら、その量をメモして全部同じにしてください。100円台の計量カップで防げる失敗です。
原因2:色付きの材料をよく混ぜていない
色付きの商品は、袋の中で色が偏っていることがあります。表面だけ軽く混ぜて塗りはじめると、後半で色が濃くなったり薄くなったりします。
防ぎ方:全体をよくかき混ぜてからご使用ください。底からすくい上げるように、粉が均一になるまで混ぜます。これはメーカーの使用方法にも色差・色ムラの原因として明記されている点です。
複数袋を使うなら、先に粉のまま混ぜる
1面に4袋使うようなときは、乾いた粉の状態で全部を大きな容器に空け、よく混ぜてから小分けにすると色が揃います。ただし水と混ぜたものは保存できないので、練るのは1回の作業分ずつです。
原因3:途中で手を止めた(継ぎ目の線)
塗っている途中で材料が切れた、電話が鳴った、昼食に出た。その間に塗り終えた部分の縁が乾きはじめ、再開して塗り重ねると、そこに線が残ります。塗り壁で「継ぎ目」「乾き際」と呼ばれるものです。
防ぎ方:1面は一度に塗りきる。そのために、必要な袋数より1袋多めに用意し、まとまった時間を確保してから始めてください。どうしても中断する場合は、壁の角や見切り材のところで区切ると目立ちません。
道具を持っていない方へ 道具もそろうスターターキット(11,000円) 塗り壁材2袋(約3㎡分)に、バケツ・ゴム手袋・コテ・計量カップ・養生テープが付いたセット。届いたら水を用意するだけで、その日から塗りはじめられます。原因4:厚みがそろっていない
塗り壁は塗料と違い、乗る量そのものが仕上がりになります。厚い部分と薄い部分があると、光の当たり方で影ができ、ムラに見えます。
防ぎ方:
- 一度に厚く盛らず、薄く広げてから足していく
- 手で塗る場合は、手のひら全体を使って一定の圧で伸ばす。指先だけで塗ると筋が出ます
- 最後に全体を一方向でなでて、表情をそろえる
- あえて凹凸をつける場合は、壁全体で同じ調子にする。一部だけ模様が強いと未完成に見えます
原因5:下地の吸い込みがばらついている
下地が水分を吸う場所と吸わない場所があると、乾き方が変わって色がまだらになります。補修跡のある壁、日焼けした壁紙、砂壁、石膏ボードの素地などで起こりやすい現象です。
防ぎ方:ビニールクロスの上にはそのまま塗れますが、それ以外の下地には市販の水性シーラーを塗ってください。下地ごとの扱いは砂壁の上から塗り壁は塗れる?下地別にシーラーの要否にまとめています。
乾いたあとのムラを直す
| 症状 | 対処 |
|---|---|
| 薄い色ムラ | 同じ材料を薄く全体に重ねる。1面ぶん(約6㎡)なら1〜2袋で足りることが多い |
| 継ぎ目の線 | 線の周囲を霧吹きで湿らせ、材料を薄く乗せて均す。直らなければその面を塗り直す |
| 厚みの段差 | 盛り上がった部分を湿らせて軽くならす。完全硬化後は削るしかないため、早めに対処する |
| 手で触った跡 | 湿らせて均すか、その部分だけ薄く重ねる |
| 小さなひび割れ | 同じ材料を少量つくり、指で押し込むように埋める |
※硬化は通常24時間(夏場は12時間ほど)、完全硬化までは約1週間です。手直しをするなら、完全に硬化しきる前のほうが直しやすくなります。
ひび割れは失敗ではない
デコれるウォールは天然素材です。メーカーの案内でも「多少の剥がれやひび割れが起きる可能性があります」と明記されています。塗料のように均一で無表情な面にはなりません。
髪の毛ほどの細いひびは、塗り壁の表情として受け入れられている範囲です。気になる場合は同じ材料で埋められます。大きなひびや広範囲のはがれについては、原因ごとの対処を塗り壁がひび割れる原因は?DIYでできる補修と予防のコツでまとめています。
補修・買い足しに 補修用に1袋(3,300円)だけ買い足す 1袋1kgで約1.5㎡。ひび割れの補修や部分的な塗り直しなら、この1袋で足ります。色は最初に塗ったものと同じ色を選んでください。よくある質問
塗り壁がムラになる一番の原因は何ですか?
袋ごとに水の量が違うことです。混ぜる水の量が変わると材料の硬さが変わり、伸び方と厚みが変わります。1袋(1kg)に対して水道水1〜1.2Lを計量カップではかってください。
色付きの塗り壁材で色差が出ました。なぜですか?
袋の中で色が偏っていることがあります。色付きの商品は、水と混ぜるときに全体をよくかき混ぜてからご使用ください。混ぜ方が足りないと色差・色ムラの原因になります。
乾いてしまったムラは直せますか?
程度によります。薄い色ムラなら、上から同じ材料を薄く重ねるとなじむことがあります。厚みの段差や継ぎ目の線は、その部分を軽く湿らせて均すか、周囲を含めて塗り直すのが確実です。
途中で材料が足りなくなりました。どうすればよいですか?
継ぎ足した部分の乾き際が線として残ることがあります。1面は一度に塗りきるのが基本なので、必要な袋数より1袋多めに用意しておくことをおすすめします。
ひび割れは失敗ですか?
必ずしも失敗ではありません。デコれるウォールは天然素材のため、多少の剥がれやひび割れが起きる可能性があります。気になる場合は、同じ材料を少量つくって埋めることで補修できます。
まとめ
水をはかる、粉をよく混ぜる、1面は一度に塗りきる、厚みをそろえる、下地にシーラーを塗る。ムラの5原因は、すべて塗りはじめる前の準備で決まります。計量カップと1袋の余裕、この2つを用意するだけで結果は大きく変わります。
これから塗る方は壁紙の上から塗れる塗り壁DIYの手順とはじめての方へをあわせてご覧ください。


