「うちの壁に塗れるのか」は、塗り壁DIYで最初につまずくところです。結論から書くと、そのまま塗れるのはビニールクロスの上だけで、それ以外の下地には市販の水性シーラーが必要です。砂壁も土壁も塗れますが、ひと手間が要ります。この記事では下地ごとに整理します。
この記事でわかること
- 下地ごとに、そのまま塗れるか/シーラーが要るか
- 水性シーラーとは何をするものか
- 砂壁・土壁を塗る前の下処理
- 塗れない場所
下地別の早見表(砂壁・土壁・石膏ボードなど)
| 下地 | 塗れるか | 下処理 |
|---|---|---|
| ビニールクロス(壁紙) | そのまま塗れる | ホコリを払う。はがれている箇所は貼り直すか押さえる |
| 砂壁・京壁 | 塗れる | 落ちる粉を払う → 水性シーラー |
| 土壁 | 塗れる | ぐらつく部分を除く → 水性シーラー |
| 繊維壁(じゅらく壁) | 塗れる | 浮いている繊維を落とす → 水性シーラー |
| 石膏ボード(素地) | 塗れる | 継ぎ目・ビス穴をパテで埋める → 水性シーラー |
| ベニヤ板・合板 | 塗れる | 木くずを払う → 水性シーラー(アク止め) |
| コンクリート・モルタル | 塗れる | ホコリ・油分を落とす → 水性シーラー |
| 既存の塗り壁(漆喰・珪藻土) | 状態による | しっかり固着していれば可。粉を吹く状態ならシーラー |
| タイル・金属・ガラス | 向かない | 吸い込みがなく密着しない |
| 外壁・屋根 | 塗れない | 屋内専用です |
※シーラーはデコれるウォールに付属しません。市販の水性シーラーをホームセンター等でご用意ください。
水性シーラーは何をしているのか
シーラーは、下地と仕上げ材の間に塗る下塗り材です。役割は3つあります。
- 吸い込みを止める:砂壁や石膏ボードは水分をよく吸います。吸い込みが強い部分と弱い部分があると、乾き方がばらついて色ムラになります
- アクを止める:木材や古い土壁からは、水分と一緒に成分がにじみ出てくることがあります。これが表面に出ると、茶色いシミのように見えます
- 密着させる:粉っぽい下地の表面を固めて、仕上げ材が乗る土台をつくります
つまり、シーラーを省いて困るのは「今すぐはがれる」ことではなく、乾いたときの見た目がまだらになることです。せっかく塗ったのに部分的に色が違う、という失敗の多くはここから来ます。
道具を持っていない方へ 道具もそろうスターターキット(11,000円) 塗り壁材2袋(約3㎡分)に、バケツ・ゴム手袋・コテ・計量カップ・養生テープが付いたセット。届いたら水を用意するだけで、その日から塗りはじめられます。砂壁・土壁の下処理
和室の砂壁を洋室風にしたい、というのは塗り壁DIYの定番です。手順は次のとおりです。
- 手でこすってみる:ポロポロ落ちるなら、ブラシや雑巾で落ちる分を先に落とします。ここを残したまま塗ると、あとから中で崩れます
- 大きく崩れている箇所を埋める:欠けや穴は市販のパテで平らにし、乾かします
- ホコリを払う:乾いた刷毛や掃除機で、表面の粉を取り除きます
- 水性シーラーを塗る:製品の指示どおりに塗り、指示された時間しっかり乾かします。吸い込みが強い砂壁では、2回塗りが必要なこともあります
- 塗り壁材を塗る:1袋(1kg)に水道水1〜1.2Lを入れて混ぜ、ゴム手袋をした手で塗り広げます
シーラーが乾く前に塗らない
急いで上から塗ると、シーラーが下地に入りきらないまま閉じ込められ、かえってムラの原因になります。「今日はシーラーまで、塗り壁材は明日」くらいの配分にしておくと安全です。
塗れない場所
- 外壁・屋根:屋内専用です。外壁や屋根へのご使用はご遠慮ください
- 水が直接かかる場所:浴室の中、洗面の水栓まわり、キッチンのコンロ脇など。水はねや油で傷みます
- 吸い込みのない素材:タイル、金属、ガラス。密着しません
下地がわからないときは
いちばん多いのは「壁紙かどうかわからない」というケースです。判別の目安を挙げておきます。
- 継ぎ目がある:壁を横から見て、縦にうっすら継ぎ目の線が入っていれば壁紙です
- 指でこすっても粉がつかない:砂壁・繊維壁は粉や繊維が手につきます
- コンセントプレートを外してみる:ネジを外すと断面が見えます。壁紙なら紙の層が確認できます(作業前に必ずブレーカーを落としてください)
判断がつかない場合は、目立たない場所で小さく試し塗りをして、乾いたときの様子を見るのが確実です。板に塗って確かめる方法はベニヤ板に塗り壁を塗るにまとめています。
まず1面から シラスの塗り壁を1袋(3,300円)から試す 南九州のシラスを主成分にした自然素材の塗り壁材。1袋1kgで約1.5㎡、壁紙の上からそのまま塗れます。部屋ぜんぶでなく、1面だけでも印象は変わります。よくある質問
砂壁の上から塗り壁材を塗れますか?
塗れます。ただしビニールクロスとは違い、砂壁には市販の水性シーラーを塗ってから塗り壁材を塗ってください。シーラーを省くと、下地が水分を吸って乾きがまだらになったり、アクが浮いて色が変わったりすることがあります。
そのまま塗れる下地はどれですか?
ビニールクロス(壁紙)です。デコれるウォールはビニールクロスの上から直接塗れます。それ以外の下地は市販の水性シーラーが必要だとお考えください。
水性シーラーとは何ですか?
下地と仕上げ材の間に塗る下塗り材です。下地が水分を吸いすぎるのを抑え、アクが浮くのを防ぎ、仕上げ材の密着をよくします。ホームセンターで手に入ります。
砂壁を塗る前にやっておくことはありますか?
手でこすってポロポロ落ちる部分を、ブラシなどであらかじめ落としてください。表面のホコリを払ってからシーラーを塗ります。大きく崩れている箇所は、パテなどで平らにしてから進めます。
外壁や屋根には塗れますか?
塗れません。デコれるウォールは屋内専用です。外壁や屋根へのご使用はご遠慮ください。
まとめ
そのまま塗れるのはビニールクロスの上だけ。砂壁も土壁も石膏ボードもベニヤも塗れますが、市販の水性シーラーがいります。シーラーを省くと、はがれるより先に「色がまだらになる」という形で失敗が出ます。
壁紙の上から塗る場合の手順は壁紙の上から塗れる塗り壁DIY、必要な量は塗り壁の必要量は何袋?をご覧ください。


