シラス壁とは?火山灰からできた塗り壁材の特徴と使いどころ

シラス壁とは何かを、原料である南九州の火山噴出物シラスの性質からわかりやすく解説します。シラスバルーンの仕組み、漆喰や珪藻土との違い、向いている場所と塗るときの注意点までまとめました。

シラス壁とは?火山灰からできた塗り壁材の特徴と使いどころ|デコれるウォールのコラム

シラス壁とは、南九州に広がる火山噴出物「シラス」を原料にした塗り壁材です。漆喰や珪藻土に比べて名前を聞く機会は少ないものの、軽さと自然な粒子感という分かりやすい個性があります。原料の話から、どんな部屋に向くのかまで整理しました。

この記事でわかること

  • 原料であるシラスがどんなものか
  • シラスバルーンという粒の仕組み
  • 漆喰・珪藻土との違い
  • 向いている場所と、塗るときの注意点

シラスとは、火山が残した白い地層

シラスは、火山の噴火によって噴き出した火砕流などが積もってできた白っぽい堆積物です。南九州に広く分布し、鹿児島の台地をつくっている地層としても知られています。

環境省 九州環境局の資料では、シラスは火山ガラスを含み「軽くて断熱性にも優れている」素材として紹介されています(環境省 九州環境局)。地元では古くから、建築資材や園芸用土など暮らしのなかで使われてきました。

シラスと火山灰の違い

「シラス=火山灰」と説明されることがありますが、厳密には同じものではありません。整理するとこうなります。

用語 何を指すか
火山灰 噴火で出た破片のうち、粒の直径が2mm未満の細かいものを指す用語。粒の大きさによる分類名です
シラス 南九州(鹿児島・宮崎)に広く分布する、白っぽい火山噴出物の地層を指す地方名。火山灰のほか、軽石や火山ガラスの粒も含まれます

つまり、火山灰は「粒の大きさ」の話、シラスは「どこにある、どういう地層か」の話です。分類の軸が違うので、そもそも並べて比べる言葉ではありません。

そのうえで、両者の関係はこう言えます。シラスという地層の中に、火山灰にあたる細かい粒が含まれている。「シラスは火山灰からできている」という言い方は、この意味では間違っていません。

  • シラス台地:シラスが厚く積もってできた台地。水はけがよすぎて稲作に向かず、さつまいもや茶の栽培が盛んになった——中学の地理で出てくるのはこの話です
  • 成り立ち:約2万数千年前の大規模な噴火による火砕流が、冷えて固まらずに積もったものとされています
  • 粒の中身:火山ガラス、軽石、鉱物の粒など。白っぽく見えるのは火山ガラスが多いためです

デコれるウォールの主成分は、このシラスを高温で加熱して膨らませた「シラスバルーン」です。地層から掘り出したシラスをそのまま塗っているわけではありません。

シラスバルーンという粒

シラスを高温で加熱すると、粒の中に含まれる水分やガスが膨張し、中が空洞の発泡粒になります。これが「シラスバルーン」です。

中身が空洞なので、同じ体積でも重さが軽くなります。塗り壁材に使うと、壁にのせたときの重さが抑えられ、伸びのよさにもつながります。天井を塗るときに腕への負担が違うのは、この軽さの効果です。

「火山灰の壁」と聞くと不安ですか

火山灰というと粉っぽさを想像しますが、塗り壁材として製品になったものは水で練って壁に固定されます。乾いたあとに粉が落ちるということは、通常はありません。

漆喰・珪藻土との違い

種類 主な原料 固まり方 仕上がり
シラス壁 南九州の火山噴出物(シラス) 商品ごとの結合材で固まる 細かい粒子感のある自然な風合い
漆喰 消石灰(石灰石が原料) 空気中の二酸化炭素と反応して硬くなる 白く、なめらかで締まった質感
珪藻土 珪藻の殻が堆積した土+固化材 加えられた固化材で固まる マットでざらりとした質感

どれが優れているという話ではなく、出したい表情で選ぶものです。3種類の比較は漆喰・珪藻土・シラス壁の違いは?DIY向け塗り壁材の選び方で、DIYのしやすさも含めて詳しくまとめています。

シラス壁が向いている場所

  • リビングのアクセントウォール:1面だけ質感を変えると、部屋の印象が大きく変わります。面積が小さいので、はじめての1面にも向いています。
  • 寝室:光の当たり方で表情が変わるため、落ち着いた雰囲気をつくりやすい場所です。
  • 和室:もともと土壁や砂壁だった空間とは相性がよく、素材感がなじみます。
  • 玄関・廊下:面積が限られるうえ、来客の目に入りやすい場所です。

一方で、外壁や屋根に使えるかどうかは商品ごとに異なります。デコれるウォールは屋内用のため、外壁や屋根への使用はご遠慮いただいています。

まず1面から シラスの塗り壁を1袋(3,300円)から試す 南九州のシラスを主成分にした自然素材の塗り壁材。1袋1kgで約1.5㎡、壁紙の上からそのまま塗れます。部屋ぜんぶでなく、1面だけでも印象は変わります。

塗るときの注意点

  • ゴム手袋を着ける:デコれるウォールは水に触れるとアルカリ性を示すため、素手での作業は避けてください。
  • 色付きはよく混ぜる:全体をしっかりかき混ぜてから使わないと、色差や色ムラの原因になります。
  • 1回分ずつ練る:一度水で練ったものは保存できません。その日に塗る分だけを混ぜます。
  • 厚く塗りすぎない:薄く伸ばして足りないところに足すほうが、乾きも仕上がりも安定します。詳しくはひび割れの原因と補修でまとめています。

必要な量と費用の目安

デコれるウォールの場合、1袋(1kg)で約1.5㎡が目安です。アクセントウォール1面(約6㎡)なら4袋、6畳の壁4面(約20㎡)なら約14袋。面積からの計算方法は塗り壁の必要量と費用の早見表にまとめています。

道具を持っていない方へ 道具もそろうスターターキット(11,000円) 塗り壁材2袋(約3㎡分)に、バケツ・ゴム手袋・コテ・計量カップ・養生テープが付いたセット。届いたら水を用意するだけで、その日から塗りはじめられます。

よくある質問

シラス壁とはどんな塗り壁材ですか?

南九州に広く分布する火山噴出物「シラス」を原料にした塗り壁材です。シラスを高温で加熱して発泡させた中空の粒(シラスバルーン)を使うものもあり、軽く仕上がるのが特徴です。

シラスとは何ですか?

火山の噴火でできた白っぽい堆積物で、南九州に広く分布しています。火山ガラスを含み、軽くて断熱性にも優れていると紹介されています。

シラス壁と漆喰はどう違いますか?

原料が違います。漆喰は石灰石からつくる消石灰が主成分で、空気中の二酸化炭素と反応して固まります。シラス壁は火山灰が原料で、商品ごとの結合材で固まります。

シラス壁はDIYでも塗れますか?

塗れます。粉末を水で練るタイプなら、バケツと手袋、コテがあれば作業できます。商品によっては壁紙の上からそのまま塗れるものもあります。

シラス壁はどんな部屋に向いていますか?

リビングや寝室のアクセントウォール、和室の壁など、質感を出したい場所に向いています。外壁や屋根への使用は商品ごとの指定に従ってください。

まとめ

シラス壁は、南九州の火山がつくった素材を原料にした塗り壁です。軽さと細かい粒子感が持ち味で、アクセントウォールのように一面だけ表情を変えたい場所によく合います。壁紙の上から塗れるタイプなら、下地をはがす手間もかかりません。

塗る手順は壁紙の上から塗れる塗り壁DIYの手順で写真つきの流れを確認できます。

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